国内

FRB、年内利上げ見送りへ 強まる日銀への追加緩和圧力

 20日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、これまで「独り勝ち」を続けてきた米国経済の鈍化が浮き彫りとなり、日本銀行の金融政策も影響を受ける可能性が強まった。景気が一段と悪化すれば米連邦準備制度理事会(FRB)の次の一手は利上げではなく利下げになるとみられ、日米の金利差縮小による円高を防ぐため、日銀も追加緩和を余儀なくされるからだ。

 日銀は、大量のお金を世の中に供給する大規模金融緩和で住宅ローン金利などの目安となる長期金利を0%程度に誘導している。FRBの利上げで金利が高いドルで運用した方が円より利益が出るため、これまで円を売ってドルを買う円安方向の動きが強かった。ただ、米国の年内利上げ停止で円売りの流れは弱まる。

 実際、ニューヨーク外国為替市場では20日、FRBの方針を受け、円を買ってドルを売る動きが強まり、円相場は一時1ドル=110円54銭をつけ、約3週間ぶりの円高ドル安水準になった。

 一方、イエレン前FRB議長は2月、米テレビ番組で、中国や欧州の景気減速が米国まで及べば次の行動は利下げになるとの見方を示した。米金利先物市場では2020年初頭に利下げするとの予想が約5割に上り、FOMCが今回示した20年に1回利上げするシナリオは既に疑われている。

 米国が利下げに転じれば、日米金利差は逆に縮小し円高が加速する。ただでさえ米中貿易摩擦の悪影響を受ける国内輸出関連企業の業績はさらに停滞しそうだ。

 日銀が持つ追加緩和の手段は限られており、市場関係者は副作用が比較的少ない上場投資信託(ETF)の買い増しによる株価下支えを有力視する。ただ、米利下げのショックを吸収するには金融機関の経営体力を奪うマイナス金利政策の深掘りなど、「劇薬」が求められるとの指摘もある。(田辺裕晶)

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