外食・流通、価格表示に苦慮 軽減税率による消費者の混乱回避 (1/2ページ)

税別と税込み価格の併記を始めた吉野家=18日、東京都千代田区
税別と税込み価格の併記を始めた吉野家=18日、東京都千代田区【拡大】

 10月の消費税増税を控え、外食や流通業界は価格表示をどうするか検討スピードを上げ始めた。持ち帰りの食品やソフトドリンクには軽減税率が導入されるため、各社は税率8%の持ち帰り品と10%の店内飲食などの違いによる混乱を小さくしようと知恵を絞る。一方「長い間悩んでいるが、どう対応するのが正解なのか」(大手外食担当者)との声も聞こえ、各社の苦慮は続く。

 外食では、日本KFCホールディングスが「ケンタッキーフライドチキン」で、持ち帰りと店内飲食で別々の税込み価格で販売する方針だ。軽減税率によって価格が変わることを明確に示すことで、消費者の戸惑いをなくそうと考えた。

 ただ店内のメニューなどに価格を併記するかどうかは「スペースも限られており、どんな見せ方がいいかを検討している」(担当者)として決めていない。

 牛丼チェーン「松屋」などを運営する松屋フーズは、持ち帰りと店内飲食の税込み価格を一律にすることも含めて検討する。担当者は「券売機で注文を受け付けるため、細かい数字の対応を熟慮している。お客さまの分かりやすさを重視したい」と話す。

 吉野家は税込み価格だけをメニューに表記してきたが、税別価格の併記を3月7日から開始。増税後の表記や価格差をつけるかどうかは検討を続ける。

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