【経済インサイド】昔は預金が7年で倍増 金融庁長官の「出張授業」 (1/3ページ)

高校生を相手に金融について出張授業する金融庁の遠藤俊英長官=東京都品川区の都立小山台高校
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  • 高校生を相手に金融について出張授業する金融庁の遠藤俊英長官=東京都品川区の都立小山台高校
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 若いうちから金融への関心と知識を持ってもらうことを目的に、金融庁が職員を高校や大学などに派遣する「出張授業」に力を入れている。2月20日には遠藤俊英長官自らが東京都立小山台高校を訪れ、同校の定時制課程の2年生を対象に約2時間の授業を行った。まだ社会にも出ていないような若者を対象に、なぜ金融庁が授業を行うのか。遠藤長官が高校生に語ったこととは…。

 お金に働いてもらう

 教壇に立った遠藤長官。授業は生徒に向けた問いかけから始まった。

 「皆さんは、何歳まで生きるつもりですか?」

 「老後はどのくらいのお金が必要ですか?」

 「どのくらいためておけばよいですか?」

 「何歳まで働き、どのくらい稼げますか?」

 ポカンとした表情の生徒たち。恐らくこれまで、あまり具体的に考えたこともなかったことなのだろう。

 そんな生徒の表情を察してか、遠藤長官は「働くことで得られるお金は平均2~3億円といわれています」と解説を始める。そして、人生で必要となる支出についても列挙。教育費用は500万~1800万円、住宅費用の平均は一戸建てが4000万円、マンションなら4300万円程度…。

 基本情報でイメージを植え付けると、本題に入る。「それでは65歳で退職するとしたら、老後の費用はどのくらい必要かな?」

ふくらみ続ける「老後の費用」