問われる日本の脱炭素戦略 世界で強まる潮流 石炭火力固執なら批判も (3/3ページ)

仙台港で運転する石炭火力発電所「仙台パワーステーション」=2018年1月、仙台市宮城野区
仙台港で運転する石炭火力発電所「仙台パワーステーション」=2018年1月、仙台市宮城野区【拡大】

 日本では東日本大震災で原発が止まり、石炭火力発電所の新設や建て替えの計画が相次いだ。環境団体の気候ネットワークによると計画は50件に上るが、その後、13件は中止や石炭以外の燃料への見直しが決まった。環境対策の費用がかさむことなどが理由だ。

 気候ネットワークの平田仁子理事は「計画中止は、必要性が疑わしいことに電力事業者もようやく気付き始めたからだ」と指摘する。

 石炭火力発電所が新設されれば数十年間、大量のCO2を出し続ける。平田さんは「パリ協定の目標実現には、世界のどこにも新たに造る余裕はない。国内に100基以上ある既存の石炭火力も全廃するべきだ」と話す。