海外情勢

米政府に敗訴でも「思うつぼ」 ファーウェイ、米司法の“独立性”やり玉に (1/3ページ)

 米政府を提訴した中国の華為技術(ファーウェイ)が目指しているのは、法廷での勝利ではない。訴訟の趣意書で同社が示した主張はこれまでの判例に基づくものではないし、米国の憲法に違反しているとの言い分にも法的根拠はほとんどみられない。

 テキサス州の連邦地裁で3月に起こされた訴訟は極めて異例だ。華為側は、中国政府の関係会社だとして同社を名指しし同社の通信機器とそれを使う企業を米政府の契約から締め出した米議会を標的に、道徳上の問題があると痛烈な批判を展開しているようにみえる。

 華為はこの提訴で何を得ようとしているのだろうか。根底にある目的は恐らく、米国が法治国家だという認識への攻撃だろう。

 華為の敗訴はほぼ確実だ。だが裁判に負ければ、米国の裁判所は政府の言いなりだと同社や中国政府は主張できる。そして華為は、第5世代(5G)移動通信インフラの構築で世界のリーダーとしての中国の立場を固める能力を持つ企業と、米国の国益は相いれないと論じることもできるだろう。

 華為が訴訟で照準を定めているのは2019年度国防権限法(NDAA)の889条だ。この法律は華為または別の中国通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)と米政府は通信機器・サービスで契約できないなどとかなり単刀直入に規定している。両社を対象とする理由はどこにも書かれていないが、米議会は通常、法案可決の際に理由を説明する必要はない。

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