海外情勢

ベトナム家具業界、脱下請け オリジナルデザイン移行本格化

 ベトナムの家具業界がオリジナルデザインへ移行しようとしている。イタリアを筆頭に欧州の有名ブランド家具の多くが、ベトナム、マレーシアでの下請け工場で製造され、その製品が日本をはじめとするアジア各国で販売されている例が多い。ベトナムではこの下請け作業から脱却し、オリジナルデザインへの移行を本格的に始めた。

 国営ベトナム・ニューズによると、ホーチミン市の手工芸木材産業協会のグエン・コク・カン会長は「デザインは企業競争力を高めるだけでなく、ベトナム家具業界と国にとって、極めて重要な役割を果たすものだ」と強調した。ベトナムでは昨年、木材および林業製品の輸出額が初めて80億ドル(約9000億円)に達した。カン会長によると、今年の輸出額は90億ドル以上、2025年には200億ドルを超えると期待されている。

 ベトナム政府が輸出品の付加価値を高める方針を打ち出したのを受け、家具メーカーもデザインを通じて競争力を高め、若くて創造的なデザイナーを養成することが国益でもあることを認識し始めた。付加価値が高まれば、地場ブランドの家具が、欧州勢の向こうを張って、世界市場で競争力を持ち、ベトナムが家具の世界的生産拠点になるとの声もある。

 ベトナム家具業界は、これまで価格と品質で勝負してきたが、将来はデザインを武器にする戦略だ。そのため、現在は相手先ブランドによる生産(OEM)が家具製造の80%を占めるが、オリジナルデザインでの生産(ODM)が80%となるようにしたいとしている。

 ホーチミン市手工芸木材産業協会は、家具業界での独自デザインの重要性を理解しており、過去数年にわたってデザインコンテストを開催し、基盤整備に努めてきた。ユニークなアイデアだけでなく、実用的な機能を備えた才能のあるデザイナーや、国内外で売れ筋製品の発掘と育成を目指している。

 地場家具メーカーのニャシンのリ・クイ・ツーン最高経営責任者(CEO)は「デザイン重視という現在のトレンドは、付加価値を高めるとともに、販路拡大によって大量生産にも役立つ」と、この動きを歓迎している。(シンガポール支局)

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