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一帯一路、「債務のわな」は払拭できたか (1/2ページ)

 中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」については、安全保障や軍事上の思惑が先行しがちなうえ、貸付金利が異常に高いために発展途上国を「債務のわな」に陥れている、との批判が噴出している。4月末に北京で行われた「一帯一路」に関する国際会議では、政府責任者らが演壇に立ち、しきりに弁明に努めたが、高まる懸念を払拭できたのだろうか。(拓殖大学名誉教授・藤村幸義)

 中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は演説の中で、「『一帯一路』に関連して中国の金融機関は4400億ドル(約48兆4748億円)を提供した」との数字を披露し、これまでの成果を強調した。

 そして今後の資金供与については、「市場原理に従い、民間資金を充てる」と述べた。資金調達の中心が政府や国際機関の資金ではなく、民間資金であるとの考え方である。

 同様の主張は、今年初めに中国人民大学で、「一帯一路」研究の第一人者である王義●(き、●=木へんに危)教授と懇談した際にも耳にした。

 筆者は王教授に「日本は長い間、円借款を通じて開発途上国にインフラ整備などのために開発資金を貸し付けてきた。この資金は低利かつ長期の緩やかな条件だったので、開発途上国から大きな評価を得てきた。中国も『一帯一路』の資金提供に、もう少し援助の性格を持たせた方が良いのではないか」との疑問を投げかけた。

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