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一帯一路、「債務のわな」は払拭できたか (2/2ページ)

 すると、王教授から「中国のやり方は、円借款とは違う。例えば高速鉄道の場合、円借款は鉄道を建設するだけだが、中国は鉄道沿線の地域開発・街づくりも合わせて請け負っており、先方から喜ばれている」との答えが返ってきた。

 そのためには、金利が高くなるのもやむを得ない、という考え方である。

 しかし民間資金を中心にすれば、当然のことながら金利高から開発途上国の債務負担を大きくしてしまう。

 劉昏財政相はこの点を意識してか、「開発途上国の財政の持続性を評価する枠組みを作っていく」ことによって債務リスクを防ぐと語った。具体的にどのような枠組みであるか、いま一つ説明不足だったが、民間資金を中心とした場合に、開発途上国の財政の持続性を維持するような枠組み作りは、至難の業ではなかろうか。

 やはり開発途上国向けのインフラ建設は、低利な資金を中心とすべきだ。そしてむやみに範囲を広げずに、確かなプロジェクトに絞っていくべきだろう。しっかりとした「枠組み」の構築が急がれる。

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