ビジネスアイコラム

“リーマン”より深刻、対米摩擦で疲弊 「チャイナ・ショック」は底なし (1/3ページ)

田村秀男

 先の日米首脳会談でちょっと気になったのは、米中貿易戦争に関する安倍晋三首相とトランプ米大統領の間の微妙な「温度差」である。会談後の記者会見で、安倍首相は「米中両国が対話を通じて、建設的に問題解決を図ることを期待」と発言した。ひとごと、きれいごとではあるまいに。首相は6月下旬に迫った大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)のホストとして中国の習近平・国家主席に気を使ったかもしれないが、認識が甘いように思える。(産経新聞特別記者 田村秀男)

 同じ会見でのトランプ大統領の返事は「中国は取引を望んでいたが、取引をやる用意はなかった」と、例によってトランプ流諧謔(かいぎゃく)だ。中国からの輸入品全てに25%の高関税を適用するのに加えて、華為技術(ファーウェイ)などに対するハイテク禁輸はまさしく米国の対中封じ込め策そのものなのだが、トランプ氏は手の内は明かさない。

 米中対立は今後延々と続き、そのプロセスで疲弊するのは米国ではなく、中国経済である。既に減速が著しい中国景気は今後悪化が加速しよう。それに伴う海外への衝撃は「チャイナ・ショック」と定義されるが、拙論の見るところ、「リーマン・ショック」よりもはるかに深刻になりうる。

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