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荒れ模様の中国自動車市場 国産メーカー悪化が目立つ (1/2ページ)

 中国の自動車市場がここへきて荒れ模様となっている。国内需要の低迷に加え、米中経済戦争の影響も次第に強まっているからだ。自動車販売台数は、前年同月比を割り続けており、国産メーカーの中には倒産寸前のところも出ている。こうした中で日系メーカーは比較的好調だが、これも急速な普及が見込まれる新エネルギー車(NEV)の動向次第では、先行き不透明だ。(拓殖大学名誉教授・藤村幸義)

 中国自動車工業協会の発表によると、4月の自動車販売台数は、前年同月比14.6%減の198万台となった。10カ月連続の減少である。3月は減少幅が縮小していたが、4月になって再び状況が悪化してきた。

 とりわけ国産メーカーの悪化が目立っている。もともと外資系メーカーが主導の中国市場の中で、隙間を狙って伸びてきただけに、需要が減ってくると最も影響を受けやすい。

 最近話題になっているのが、手持ちの不動産を売却して、なんとか生き延びようとしている海馬汽車(海南省海口市)である。2期連続で赤字を計上したため、上場している深セン証券取引所から「上場廃止リスク警告銘柄」に指定されている。

 国産メーカーの中でも台頭著しかった長安汽車は、今年第1四半期の販売台数が前年同期比で一気に20万台を超える大幅減となった。営業収入も約20%の落ち込みとなっている。また衆泰汽車はNEVでは、一時は比亜迪(BYD)に次ぐ国内2位の販売台数を達成してきたが、昨年の営業収入は前年比29%の大幅な減少を記録した。

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