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中国、30年には世界一の原発大国に (2/2ページ)

 だが、どこまで安全か、不安は拭い切れない。中国科学院発行のある学術誌に最近、「南シナ海に面する広東省で、およそ1000年前に大津波が発生し、沿岸が壊滅的な被害を受けていた」という報告が掲載されたのも、その一つである。広東省では大亜湾原発が稼働中で、台山市の原発も商業運転に入ったばかりである。

 内陸部に原発を建設するかどうかの議論も続いている。湖南省、湖北省といった中部地域だけでなく、四川大地震(08年)の記憶も新しい四川省などでも建設計画が出されている。

 東日本大震災では大量の放射性物質が拡散したが、風向きによって大部分は太平洋側に流れていった。ところが中国の沿海部で大規模な原発事故が発生すれば、東側に位置する朝鮮半島や日本は甚大な被害を受けることになる。無関心ではいられない。

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