国内

半導体、3~4カ月が限界 韓国紙、日本は「急所突いた」

 2日付の韓国紙、朝鮮日報は、日本政府による輸出規制強化で半導体などの製造に必要な材料3品目が入手できなくなった場合、半導体大手のサムスン電子やSKハイニックスなどが確保している在庫は約1カ月分で、3カ月分ほどある完成品の在庫を加えても「持ちこたえられる期間は3~4カ月だ」と伝えた。MBCテレビは、最悪の場合は工場の生産ラインが止まる可能性があると指摘した。

 韓国外務省報道官は2日の定例記者会見で「両国関係に否定的な影響を与える」として改めて深刻な憂慮を表明し、日本側に撤回を重ねて要求した。

 また「国際法と国内法に基づいて必要な対応措置を取っていく」と強調した。

 成允模・産業通商資源相は1日、世界貿易機関(WTO)への提訴を検討していることを明らかにしたが、韓国メディアからは勝訴は確実でなく、提訴から判断が出るまで長期間かかることから、それほど効果がないとの見方も出ている。

 2日の主要紙は1面トップなどで「韓国産業の急所を突いた」(保守系の朝鮮日報)と懸念。「参院選前に韓国たたき」(革新系ハンギョレ)との反発の一方、いわゆる徴用工問題で対応を取ってこなかった韓国政府に対策を促す論調も目立った。

 保守系の東亜日報は社説で「韓国企業の『脱日本』を助長し、韓国だけでなく日本も被害を受ける」と主張した。

 ただ、「韓国政府も韓日関係悪化を事実上放置してきたとの批判を免れない」とし、両国は対話を通じて関係改善の糸口を探すべきだとした。(ソウル 共同)

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【用語解説】韓国の半導体産業

 韓国の経済成長は半導体産業の輸出拡大が支えてきた。韓国貿易協会によると、半導体の輸出額は2012年に輸出総額の約9%に当たる504億ドル(約5兆4600億円)だったが、18年には1267億ドルと約21%を占めた。日本の半導体産業は、韓国の大手サムスン電子などに押され衰退。日本の大手電機メーカーも高精細の4KテレビにLG電子の有機ELを使っている。(共同)

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