国内

イラン沖、有志連合結成へ 米軍制服組トップ、艦船派遣し監視

 米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は9日、イラン沖のホルムズ海峡近くなどで民間船舶の安全を確保するため、同盟国の軍と有志連合を結成する考えを示した。数週間以内に参加国を募る。日本などのタンカーが攻撃を受けたことに伴う措置。ロイター通信が伝えた。

 米国が艦船を派遣して監視活動を指揮。参加国は米艦船の警備や自国商船の護衛に当たる。トランプ米大統領は、各国がホルムズ海峡を通るタンカーを自国で守るべきだと主張しており日本も何らかの対応を求められる可能性がある。

 産油国に囲まれたホルムズ海峡はエネルギー供給の大動脈。核問題をめぐって米国とイランの対立が深まる中、国際経済に大きな影響を与える同海峡封鎖への発展が懸念されている。また、米側にはタンカー攻撃や米無人機撃墜後も、イラン非難の包囲網が広がらないことへの不満がある。

 ダンフォード氏は「航行の自由を守るため軍による連合をつくれないか、多くの国と協議している」と説明。「数週間で参加の意思を見極め、その国の軍と具体的な役割について直接話し合う」と述べた。

 ホルムズ海峡に加え、アラビア半島南部のイエメン沖で紅海とアデン湾を結ぶバベルマンデブ海峡も警戒対象にする考えをダンフォード氏は示した。

 イエメンでは、サウジアラビア主導の連合軍と、親イランの武装組織「フーシ派」の内戦が続いている。アデン湾では、自衛隊が民間船舶を海賊から守る行動を継続的に実施している。

 ホルムズ海峡付近では6月中旬に、日本の海運会社が運航するタンカーなど2隻が何者かに攻撃される事件が発生。5月中旬にはアラブ首長国連邦(UAE)沖でもタンカー攻撃が起きた。米国はいずれも、イランが関与したと断定している。(ワシントン 共同)

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