海外情勢

NZで日本式のブドウ栽培 生食用、夏・冬の年2回収穫対応

 良質なワイン産地として知られるニュージーランド北島の東海岸、ホークスベイ地方には美しいブドウ畑が広がる。中心都市ネーピアでは日本人が生食用のブドウを栽培しており、日本式で育ったブドウはおいしいと現地の人たちにも好評だ。

 山梨県笛吹市で3代続くブドウ農家の樋口哲也さんは、2012年4月に農業生産法人「葡萄専心」を設立した。日本の冬に夏となる南半球でブドウを栽培し、年に2回生産する体制をつくることで年間を通した雇用を実現し、社員のスキルアップにつなげようと考えたためだ。

 チリやオーストラリア、ニュージーランドなど何カ所も調査する中で「ネーピアを訪れた瞬間、ここだと思った」。夏の降水量が少なく低湿度で、理想のブドウを作れる環境だと肌で感じたという。

 ネーピアで1.8ヘクタールのブドウ畑を借り、14年末から数種類の栽培を開始。以来、山梨とネーピアで半々の生活を送りながら、一年中ブドウを育てている。ネーピアでも、世界的に主流の垣根栽培ではなく、日本でよく見られる頭上から房がぶら下がる棚栽培方式を採用。生食用ブドウではその方が適しているという。現地マネジャーとして樋口さんをサポートする曽良夢里さんは、ブドウ作りの経験はなかったが「来シーズン以降の実付きのことも考えて枝を管理しないといけないなど本当に奥が深くて面白い」と話す。

 地元の市場のほか、首都ウェリントンなどの高級生鮮食料品店などにも卸しており「今まで食べていたブドウと違って甘くておいしい」と人気だ。今年、試験的に輸出したブドウが好評だったため、来年から本格的に輸出しようと準備中だ。

 「将来は栽培面積を増やして生産を拡大し、希望者であればニュージーランド人でも日本人でも受け入れて年に2回ブドウを作る人材を育てていきたい」と樋口さん。見据えるのはシンガポールや香港など東南アジア市場だ。(ネーピア 共同)

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