海外情勢

米IPO、圧勝400億ドル 上半期 欧州7年ぶり低水準、アジア44%減 (1/2ページ)

 2019年1~6月期(上半期)の世界の新規株式公開(IPO)市場は、米国の“独り勝ち”となった。IPOへの投資家の旺盛な需要を背景に上場が相次ぎ、米IPO市場の資金調達額は約400億ドル(約4兆3200億円)と、09年以降で最高額に達した。米国では有望な成長企業の上場が控えており、“IPO祭り”は当面、続きそうだ。

 一方、昨年米国と互角の争いを繰り広げた欧州は7年ぶりの低水準に沈んだ。欧州市場への上場を発表した企業は79社にとどまり、調達額は約148億ドルと前年同期の半分にも届かなかった。アジアも苦戦が強いられた。昨年、ソフトバンクや小米といった大型案件に恵まれたが、上半期は盛り上がらなかった。調達額は前年同期比44%減の約225億ドルと大幅減となった。

 配車2社で100億ドル

 今年の米市場は米配車大手ウーバー・テクノロジーズ、同業の米リフトといった大型案件に加え、植物性タンパク質で肉代替食品を製造する米ビヨンド・ミート、ビデオ会議(ウェブ会議)用システムを手掛ける米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズといった知名度がさほど高くない銘柄も上場を果たした。ブルームバーグのデータによると、上半期にIPOを実施した93社の株価は6月末時点で公開価格から平均3割値上がりした。ビヨンド・ミートは5月の上場以降、株価が6倍以上に高騰、ズームは4月の公募価格決定以降、約2.4倍と、突出している。

 一方、ウーバーの調達額は81億ドルと今年最大のIPOを果たした。同業のリフトも調達額は年初来3位と、ともに期待されていたが、上場後の株価はさえない展開が続いた。特にリフトは好発進したものの、その後は株式の空売りの標的にされ、公開価格を大幅に下回った。

 それでも両社合わせた調達額は100億ドルを超え、ここ数年来で最大級のIPOブームの火付け役となった。

 英バークレイズの米株式資本市場慣行部門の共同責任者を務めるクリスティン・デクラーク氏は上半期の米IPO市場の活況の背景について、「投資家は運用成績がベンチマークを下回っており、パフォーマンスを取り戻すための手段の一つとしてIPOに注目している」と説明する。

 年初には米政府機関の閉鎖で米証券取引委員会(SEC)が上場申請の審査ができないなど、IPOが期待された企業に影響が出た。しかし、こうした状況を打破するきっかけとなったのが、老舗ジーンズブランド「リーバイス」を展開する米リーバイ・ストラウスだった。同社は3月に6億2300万ドルを調達。これが引き金となり新規上場ラッシュが続いた。

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