海外情勢

EU、イランのウラン濃縮「重大な不履行とみなさず」 紛争解決発動せず

 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)は15日、28加盟国による外相理事会をブリュッセルで開催し、イランによる核合意の一部履行停止について協議した。EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表は理事会後の記者会見で、合意当事国の英仏独が当面は合意に基づく紛争解決手続きを発動しない方針であることを明らかにした。

 同手続きを発動した場合、最終的には国連に付託され、イランに対する国連制裁の再開に道を開く可能性がある。合意存続を目指す欧州諸国としては現時点で緊張を高める手段はとらない姿勢を示した。

 イランはウランの濃縮度を規定の3・67%から4・5%に高め、濃縮ウラン貯蔵量も上限を超えた。だがモゲリーニ氏は、イランの措置は「技術的に(以前の水準に)戻すことが可能」であり、「現時点で重大な不履行と見なす当事国はない」と強調した。

 イランは合意順守の条件に米国の制裁再開で打撃を受けている原油取引の回復を求めている。モゲリーニ氏はこのため、イランとの貿易継続に向け稼働させた「貿易取引支援機関」(INSTEX)の取引対象に原油を加えるかを検討していることも明らかにした。

 こうした欧州側の取り組みでイランを説得できるかは不透明だが、ハント英外相は15日、イランの核爆弾製造にはまだ長い期間を要するとし、「合意存続への小さな窓はまだ開かれている」と述べた。

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