海外情勢

京アニ火災、アメリカ発の寄付金は1億円以上 米アップルCEOも追悼

 【ニューヨーク=上塚真由】京都市のアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオで18日に発生した放火事件を受けて、インターネット上を中心に海外でも追悼や支援の輪が広がっている。

 日本のアニメ作品の海外配給などを手がける米企業「センタイ・フィルムワークス」(本社・テキサス州)は支援のためのクラウドファンディングを開始。ツイッターなどを通じて「私たちの友人である京都アニメーションを助けて」と呼びかけると、日本時間の19日昼までに約3万6千人が賛同し約110万ドル(約1億1800万円)を超える寄付金が集まった。

 京都アニメーションの作品は動画配信サービスのネットリックスなどを通じて配信され、海外でも人気が高い。海外ファンにも「京アニ」の愛称が浸透し、SNS(会員制交流サイト)では「#prayforkyoani(京アニに祈りを)」などのハッシュタグが拡散した。米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)も自身のツイッターで、京都アニメーションについて「世界で最も才能があるアニメーターたちのホームだ」と言及。「制作者たちは名作を通じて世界中に、世代を超えて喜びを広めてきた」と追悼のメッセージを寄せ、最後に日本語で「心よりご冥福をお祈りします」と書き込んだ。このほか、米国の元五輪フィギュアスケート選手のジョニー・ウィアー氏もツイッターで「心からの哀悼の意と祈りをささげます」と犠牲者を追悼した。

 米メディアでは、京都アニメーションの企業理念に注目した報道も目立ち、CNNテレビ(電子版)は、京都アニメーションが「人を大切にし、人づくりが作品作りでもある」という指針を掲げていることを紹介。また、米業界誌ハリウッド・リポーター(電子版)は「京都アニメーションがアニメ業界で広く尊敬される理由」とした特集記事を掲載した。他のアニメ制作会社と比較し、女性の監督や作家が多く、「けいおん!」などの女子高校生が主役の作品が生まれたと功績を紹介。また、アニメ業界はフリーランスのアニメーターに頼る部分が多い中、同社はアニメーターを正社員として採用して待遇を改善し、時間をかけて制作しているとし、こうした取り組みが作品の品質に反映されていると指摘した。

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