海外情勢

比、中国語のみの表示禁止 行政命令 消費者権益を保護

 フィリピン貿易産業省は先ごろ、国内の飲食店や小売店などの事業者に対し、店内外の表示に英語かタガログ語をはじめとするフィリピン語の表示を義務付ける行政命令を公布したと発表した。中国人の増加により中国語表記のみの店舗が横行している状態から、消費者権益を保護するのが目的だとしている。経済紙ビジネスワールドが伝えた。

 フィリピンは、ドゥテルテ政権が進める大規模なインフラ整備計画「ビルド・ビルド・ビルド」により中国人労働者が増え続けている。フィリピン移民局によると、ドゥテルテ政権発足前の2016年初めから、発足後の18年5月までに約312万人の中国人が入国した。

 フィリピンの公用語はフィリピン語と英語だが、中国人の増加に伴い、街中には中国語表示のみの飲食店も目立つようになった。大型商業施設「モール・オブ・アジア」では中国語の放送が流れている。中国人向けのレストランなどでは、看板やメニューは中国語一色だ。

 今回の貿易産業省の行政命令は1992年制定の消費者法に準拠するもので、フィリピン語または英語で表示されていない看板や広告板、パンフレット、チラシ、通知、ラベル、勧告、値札、メニュー、および領収書を禁止している。製品またはサービスを提供する全ての事業に適用される。

 違反した場合、1回目の摘発で5万ペソ(約10万5500円)、2回目で10万ペソ、3回目で30万ペソの罰金が科される。悪質な場合、貿易産業省からの個人事業証明書を抹消される。同省は地方自治体や他の機関に対して、当該事業者の各種登録や許可、免許の取り消しを勧告する。

 中国の建設業者は自国のエンジニアや労働者をフィリピンでの建設作業に従事させ、中国国内で働くよりも多くの賃金を支払う。このためフィリピンで事業展開する業者にとって中国人は上客で、呼び込みを強化するためにレストランや娯楽産業などで中国人を採用するケースも増えている。

 また一方では、カジノなどを目的にフィリピンを訪れる富裕層の中国人観光客も増加が続いている。(シンガポール支局)

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