海外情勢

DJI、米でドローン拡大 関税回避 「安保脅かす」批判抑える

 中国のドローンメーカー、SZ・DJIテクノロジーが米国での事業を拡大する。中国からの輸出に新たに課される関税を回避するとともに、同社が米国の安全保障を脅かしているとの批判を抑えるのが狙いだ。

 慎重な扱いを要する情報を中国に送信する可能性があるとして一部の米議員は中国製ドローンの禁止を求めているが、米内務省は連邦政府の管理下にある土地での森林火災防止などで2種類のDJI製ドローンを使う計画。DJIは7月、同社の2つのモデル「マビック・プロ」と「マトリス600プロ」が同省のセキュリティー審査に合格したと発表した。

 DJIによれば、内務省は2年余りにわたって審査を実施。同社のドローンについて1000回強の飛行に500時間をかけ、政府データをめぐる懸念に対処するための特別仕様を採用した。内務省に業務時間外にコメントを求めたが返答はなかった。

 ただ同省は技術評価報告をオンラインで開示しており、「高品質のDJIソフトウエアを内務省の各局が利用でき、同時に望まれない外部へのデータ流出を阻止する解決策を生み出すためDJIと2年余り協力した」とコメントしている。

 DJIは「徹底的な市場調査」にもかかわらず、「価格もしくは性能の観点から、競争力のある国内で入手可能な製品」を内務省は見つけられなかったと主張。DJIの戦略的パートナーシップ担当ディレクター、ジャン・ガスパリック氏はインタビューで、内務省の特別仕様は、飛行中にドローンが撮影する写真や動画などのデータを意図的にも偶発的にも第三者に渡すことはできず、インターネットへのアップロードも不可能だということを意味していると語った。

 「政府機関として、米国側はあらゆるソフトウエアのアップデートをコントロールすることを望んでおり、今はソフトの無線アップデートもなくドローンから外部への接続性もない」と同氏は述べた。

 ガスパリック氏はまた、DJIが6月発表した米国でドローンを生産する計画について、新たな詳細の概要も示した。同社はロサンゼルスに近いセリトスにある倉庫で「マビック2エンタープライズ・デュアル」を組み立てて検査するという。中国などから機器と部品を米国に出荷し、米国でのドローン組み立てで採用人員を増やし、製品が米国の通商規定に準拠し、政府機関がより容易に同社のドローンを購入できるようにすると説明した。計画している投資額や新規従業員数には言及を控えた。(ブルームバーグ Shelly Banjo)

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