経済インサイド

参院選“惨敗”の日本医師会、社会保障改革に影響も (1/2ページ)

 「本日了承を得た概算要求基準も踏まえ、今後政府を挙げてメリハリの効いた予算編成に取り組んでいく」

 安倍晋三首相は7月31日の経済財政諮問会議で、令和2年度予算編成についてこう述べ、各省庁からの予算要求に対し、必要に応じて増減を明確にする姿勢を強調した。

 「減」の筆頭格が、国の一般会計の歳出で約3分の1を占める社会保障費だ。同日の臨時閣議で了承された概算要求基準では、高齢化などに伴う社会保障費の自然増を5300億円と設定。2年度は社会保障費の支出が多い75歳以上の後期高齢者となる人の数が終戦前後生まれの世代のため少なく、ここ数年6000億円以上だった自然増が抑えられる格好となった。

 予算編成過程で自然増の伸びを5000億円程度まで絞り込むのがここ数年の流れで、2年度予算案の社会保障費の圧縮は簡単にみえるが、話はそう単純ではない。4年度から人数の多い団塊世代が後期高齢者入りして、「小泉純一郎政権時代に社会保障費の伸びを5年で1.1兆円抑制したときよりも社会保障費が急増する」(厚生労働省幹部)ため、まだ余裕のある2年度予算案の段階で社会保障費の伸びを一定程度抑制しておき、4年度からのショックを和らげておく必要があるのだ。

 こうした事情から、参院選後に社会保障への切り込みの検討が始まる見通しとなっていた。社会保障系の業界団体は社会保障抑制のターゲットになるのを回避しようと、7月の参院選では組織内候補の得票数を稼いで存在感のアピールに走ったが、意外な番狂わせがあった。業界のトップに君臨する日本医師会(日医)の政治団体、日本医師連盟推薦で現職の羽生田俊氏が、自民党の比例代表当選者19人の中で16位と下位に沈んだのだ。

 羽生田氏は6年前に初めて出馬した参院選の得票数から10万票近くも減らした上、自民党比例代表で当選した社会保障系候補4人の中で最下位となった。

 一方、社会保障系トップは日本看護連盟推薦の現職の石田昌弘氏で、低投票率の中、3年前の参院選で組織内候補が獲得した以上の得票数を奪った。続いて日本薬剤師連盟推薦の新人の本田顕子氏、日本製薬団体連合会などが支援した首相補佐官の衛藤晟一氏が羽生田氏の得票を上回った。

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