海外情勢

アルゼンチン危機再燃 マクリ大統領が予備選敗退、デフォルト懸念 (1/2ページ)

 アルゼンチンが再びデフォルト(債務不履行)に陥りかねないとの懸念が国際金融市場に急浮上している。市場経済を重視する同国のマクリ大統領が、11日に投開票された大統領選予備選挙に敗れ再選が困難になったとの見方が広がり、週明けの12日の金融市場では投資家が同国の金融資産を一斉に売却。同国株は世界で史上2番目の急落を記録した。この動きは他の新興経済国の市場にも波及した。

 株価、通貨が急落

 10月の本選挙を前に行われた予備選でマクリ大統領は得票率約32%と、野党候補のフェルナンデス元首相に15ポイント余りの大差をつけられ再選が危ぶまれる状況となった。記者会見したマクリ氏は、予備選での敗北の要因に「現在の経済的困難」を挙げた上で「本戦では予備選の悪い結果をはね返せる」と強調した。

 12日の市場では同国の株価指標であるS&Pメルバル指数がドルベースで48%の大幅安となり、通貨ペソも一時33%安と急落した。

 この背景には、フェルナンデス氏が本戦に勝利すれば同氏の副大統領候補であるキルチネル前大統領が、現役時代のポピュリスト政策を復活させかねないとの懸念がある。キルチネル氏は保護主義的な政策を強行した結果、同国をデフォルトに追い込み、国際金融から孤立させた経緯があるためだ。

 フェルナンデス氏は、経済政策の詳細を発表していないものの、合意した国際通貨基金(IMF)支援の条件をめぐり再交渉を目指す方針を示している。

 フェルナンデス氏は12日、ブエノスアイレスでの地元テレビ局とのインタビューで、「マクリ大統領が借金を返済できるとは誰も信じていない」「国債の価格は投資家がアルゼンチンのデフォルトを見込んでいることを示している」などと指摘した上で、「私はアルゼンチンのデフォルトを望んではいない」と述べた。

 しかし、アバディーン・アセット・マネジメントで新興国の国債投資の責任者、エドウィン・グティエレス氏は「市場はデフォルトを織り込み始めている」と語り、フェルナンデス氏が勝利した場合の悪影響に、目を向けているとの見方を示した。

 デフォルトが発生した場合の保険に相当するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、アルゼンチンが今後5年に債務返済を停止する確率が75%織り込まれている。9日時点では49%だった。同国の国債価格は額面1ドル当たり0.55ドルまで売られている。

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