海外情勢

香港混迷、次の危機は経済か 商業ハブの信頼度低下を懸念

 香港では反政府デモが落ち着く兆しが見られず、投資家や企業経営者は抗議活動の余波への不安を募らせている。米中貿易戦争や域内の混乱が小売売上高に打撃を与え、不動産価格の重しとなり、株式相場の下落を招く中、短期的には香港経済がリセッション(景気後退)に向かっていることが懸念材料だ。

 だが、これよりもずっと大きな心配は安全かつ信頼できる商業ハブ(拠点)としての香港の立場が取り返しのつかないダメージを受けることだ。中国本土と世界を結ぶ主な玄関口であり、ビジネスフレンドリーとの評判を生かしてきた香港経済にとっては致命傷となる可能性がある。

 英調査会社TSロンバードのエコノミスト、ローリー・グリーン氏(ロンドン在勤)は「より長い目で見れば、これは国際金融センターとしての香港の地位にとって根本的な難題をもたらす」と指摘する。

 とはいえ、香港の地位崩壊が差し迫っていると予想する向きはほとんどない。香港には1990年代後半のアジア通貨危機や2003年の新型肺炎(重症急性呼吸器症候群、SARS)の感染拡大など、この20年にわたり危機を乗り越えてきた実績がある。

 林鄭月娥行政長官は域内の混乱を抑える解決策をまだ示さない一方、香港政府が「大胆な」景気支援策を検討していると表明している。14年の「雨傘運動」時のように、最終的には経済的なダメージがそれほど長引かずに抗議活動が下火になるとの楽観的な見方もある。

 深セン君茂資本の庄嘉鵬ファンドマネジャーは「14年の抗議活動時に香港株を買っていた人々は正解だった」と指摘。本土の同業の多くと同じく、この数週間は香港資産を買っていると話す。

 しかし、海外投資家の幅広い流出分を相殺するには力不足で、香港株は6月上旬のデモ本格化以降、約5000億米ドル(約52兆7000億円)相当の時価総額を失い、香港の株価指数は12日に7カ月ぶりの安値を付けた。(ブルームバーグ Enda Curran、Jeanny Yu)

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