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中小事業承継、親族外も支援 政府、税軽減や経費補助検討

 身内に後継ぎがいない中小企業の世代交代を促すため、親族以外の「第三者」への事業承継について政府が包括的な支援策を検討することが分かった。株式譲渡時の税負担を軽くするほか、承継に合わせた新規事業の立ち上げや事業再編に必要な費用を補助する。親族内での承継支援を軸とする現行制度を大幅に拡充することで経営者が高齢になった中小企業の廃業を食い止め、ものづくりの技術伝承や地域の雇用維持を狙う。

 中小企業庁が8月末に示す2020年度の税制改正要望と予算の概算要求に盛り込む。年末にかけて財務省と協議し、詳細を詰める見通しだ。

 25年には中小企業の経営者のうち約6割に当たる約245万人が70歳以上になると見込まれる。政府は18~19年度税制改正で中小、個人事業主が子どもらへ事業を譲る際に相続税などの納税を猶予する特例を用意したが、親族内で引き継げない企業への対応が残る課題になっていた。

 20年度改正では親族以外への引き継ぎで、株式譲渡所得にかかる税率20%の軽減を検討。事業を譲り受ける側の負担にも配慮し、登記にかかる登録免許税と不動産取得税の軽減特例について、20年3月末に迎える期限の延長を議論する。

 雇用や経営資源を引き継ぐ一方で不採算事業をリストラする必要が生じた場合、先代経営者が払う廃業費用を補助する。親族内での承継を含め、後継者が新たに革新性の高い事業を始めるケースは、既存の補助金の支給率を引き上げてバックアップする。

 外部から後継者を招こうと模索する中小経営者を対象に、仕事ぶりや知見を伝える目的で一定期間、候補者を試しに雇用するための費用を補助することも考える。

 一方、通常のM&A(企業の合併・買収)と区別するため、事業を譲る側に年齢要件を設けたり、事業承継計画の提出を求めたりするなど、優遇を受けるための基準作りが検討課題になる。

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