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クリーン・テックHD EV向けレアメタル、安定供給へ

 □クリーン・テック・ホールディングス最高経営責任者 サム・リガルさん(47)

 --希少金属(レアメタル)鉱山開発の進捗(しんちょく)は

 「オーストラリア東部のサンライズプロジェクトは、電気自動車(EV)に搭載される充電池の原料となるニッケルやコバルトの鉱山開発に加え、レアアース(希土類)の一種、スカンジウムも生産できる。年内の最終投資決定を目指し、日本企業も含めて権益投資のパートナーを探している。スカンジウムの生産は中国やロシアなどに偏在し、安定供給が難しかった。オーストラリアから安定調達することで用途開発が進むだろう」

 --スカンジウムの用途は何か

 「アルミニウムに微量添加すると強度が増し、大幅にアルミの使用量を削減できる。既に欧州航空機メーカーやEVメーカーは軽量化に向け、アルミとスカンジウムの合金の素材開発を競っている。アルミ価格はまだ、高価だが、数年前から米フォード・モーターがピックアップトラックの一部に採用し、車体への使用機運も高まっている」

 --鉱山開発に関心のあるメーカーは

 「中国のEVメーカー、欧州自動車大手、日本企業も関心を寄せている。中でも中国企業は、EVのサプライチェーン(部品供給網)構築について、生産や在庫管理だけではなく、原料調達まで総合的に検討する意識が高い。原料調達交渉では、EVメーカーに加え、電池などの部品メーカーも共同で議論するほどだ」

 --ニッケル価格が想定より下落している

 「価格下落で生産量が減り続け、新規開発も進んでいない。だが、この数年の間に確実に需要が増え、価格も上昇する見通しだ。EVの普及の最大のリスクはニッケルとコバルトの生産制約だ。それだけに自動車メーカーはEV生産に欠かせないニッケルとコバルトの供給リスクへの対応に真剣に取り組むべき時期だと思う」

【プロフィル】サム・リガル

 英豪資源開発大手リオ・ティントグループ、カナダの資源開発会社のアイバンホー・マインズの戦略担当副社長などを経て、現職。アイバンホー・マインズでは、モンゴル政府と銅・金などのオユトルゴイ鉱山をめぐる交渉を担当した。オーストラリアのメルボルン出身。

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