海外情勢

アマゾン、反トラスト調査も 競合サイトで値上げ、業者に示唆か

 最良のディールを買い物客に提供するという米アマゾン・コムが掲げる信念が、同社のマーケットプレイスで商品を販売する業者に競合サイトでの値上げに走らせている。これは電子商取引(EC)市場をめぐるアマゾンの影響力が拡大している証しだ。

 アマゾンは常に競合サイトの方が安いかどうか他社の価格をチェックしている。例えばある商品がウォルマート・ドット・コム上で自社より安いと分かったときは、販売業者に警告するほか、自社のマーケットプレイスでその商品を見つけたり買ったりしにくくする。つまりその業者に対する実質的なペナルティーだ。多くの場合、販売業者はアマゾンでの売り上げを失うリスクを冒すよりも、競合サイトで値上げする方を選択している。

 ブルームバーグが調べたところでは、アマゾンはそうした警告の際、販売業者に他のサイトで価格を引き上げるよう明確には指示しておらず、目的はアマゾン上で値下げさせることなのかもしれない。ただ、販売業者は聞き取り調査で、アマゾンに徴収されるコスト増加や同社のマーケットプレイスでの販売に依存していることを挙げ、他社で値上げする公算がより大きいと述べている。

 アマゾンのそうした慣行が議会や米連邦取引委員会(FTC)の調査を招く公算が大きいと反トラスト専門家は語る。これまでのところ、アマゾンの市場支配力への批判は、販売業者の売り上げデータを競合製品の導入などのために利用したかどうかに集中している。ただ、米国では販売業者に他のサイトでの値上げを促すことで消費者の利益を損なうことは、反トラスト的行動の伝統的な定義にしっかり当てはまる。

 ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の反トラスト訴訟専門アナリスト、ジェニファー・リー氏は「ウォルマートで買いたいと思っている人にとって結局はより高くつくことになり、最終的に違法行為と見なされる可能性がある」と指摘した。

 アマゾンの広報担当は、「販売業者はアマゾン内外で自社商品の価格を完全にコントロールしており、当社は目玉商品として取り上げられるためのヒントを提供することでそうした業者が売り上げを最大限に増やせるよう支援している」と説明した。(ブルームバーグ Spencer Soper)

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