海外情勢

オーストラリアのエアーズロック 入山禁止間近で観光客殺到 (1/2ページ)

 オーストラリア中央部の巨大岩山ウルル(英語名・エアーズロック)に、日本など世界各地から観光客が押し寄せている。所有権を持つ先住民アボリジニが10月26日以降の入山禁止を決めており、駆け込みで訪れる人が増えているためだ。一方、聖地を踏み荒らされることに心を痛めてきた先住民らは、平穏が訪れる日を待ちわびている。

 多い日は1500人も

 「遊園地やテーマパークではない」。2017年11月、ウルルを管理する国立公園の役員会は全会一致で入山禁止を決め発表した。役員12人のうち8人が先住民で、以前から観光客による登山を快く思っていなかった。

 ウルルを訪れる観光客は年間約25万人。国立公園のマネジャー、スティーブン・ボールドウィンさんは「入山禁止が決まってから観光客は増え、昨年はこの15年間で最高の人出を記録した」と話す。特に学校が長期休暇に入る時期には登山経験がある親が子供を連れて登るなど、多い日で約1500人が訪れている。日本からの観光客も増えているという。

 ウルルは東京タワー(333メートル)よりも少し高く、最大傾斜は45度以上。岩盤にくいを打ち込んで架けた鎖を頼りに登らなければならないが、頂上からは絶景を一望できる。往復で2時間ほど。北海道旭川市の男性会社員は「学生の頃から登りたかった。時間がなく途中までだったが、憧れの地に足を踏み入れた感動があった」と満足した表情を見せた。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus