海外情勢

ベトナム、5Gからファーウェイ除外 南シナ海対立で中国に不信感 (1/2ページ)

 ベトナムの通信最大手で国防省傘下のベトナム軍隊通信グループ(ベトテル)のレ・ダン・ドゥン最高経営責任者(CEO)は27日までにインタビューに応じ、同国の第5世代(5G)移動通信網構築計画から中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を除外することを明らかにした。中国発のハッカー攻撃や南シナ海の資源開発をめぐる中国の行動によって安全保障面での中国の脅威や中国への不信感が高まっていることが背景にある。アジアで5G通信網構築からファーウェイを除外するのは初めてだ。

 より安全なものを

 同CEOは「ファーウェイの利用は安全ではないとの報道があった。これらの情報を全て勘案した上で、より安全なものを選ぶべきだというのが当社の立場だ」と述べ、北部のハノイではスウェーデンのエリクソン製を、南部ホーチミンではフィンランドのノキア製機器を採用すると話した。

 ベトナムの人口約9600万人のうち、約6000万人がベトテルを利用しているが、同国では中小通信会社もファーウェイを採用していない。地元メディアによれば、携帯会社のモビフォンは韓国のサムスン電子の機器を利用しており、同業ビナフォンは5G通信網展開に当たりノキアと提携した。

 東南アジアでフィリピンやタイ、マレーシアなど他国がファーウェイの技術採用に門戸を開く中、ベトナムのファーウェイ外しは異例だ。ベトナム政府は2016年に首都ハノイとホーチミンの両空港が中国からとみられるハッカー攻撃に遭って警戒を強め、中国製の技術利用を見直すと明言した経緯がある。

 また、南シナ海の領有権をめぐる中国とベトナムの数年来の対立で、ベトナム国民の間では中国への不信感が高まっている。14年半ばには、中国による南シナ海での石油掘削活動に対する抗議デモがベトナム国内で発生し死者が出た。米調査機関ピュー・リサーチ・センターが17年に公表した世論調査では、中国に好感を持つと回答したベトナム人はわずか10%だった。

 今年7月以降、中国の海洋調査船が海警局の艦船を引き連れ、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島周辺のベトナムの排他的経済水域(EEZ)内で活動。警戒するベトナム艦船とにらみ合いになるなど、緊張が高まっている。

 シンガポールの政府系シンクタンク、東南アジア研究所(ISEAS)のレ・ホン・ヒエップ研究員は「ベトナムは中国を信用できない。他企業より安いからというだけで、重要インフラを危険にさらすことはできない」と説明する。

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