海外情勢

日本向け灯油を韓国禁輸も 貿易対立波及 需給逼迫の可能性

 日本と韓国の貿易をめぐる対立が深まる中で、韓国が灯油の対日輸出を禁止すれば、日本で燃料費の家計負担が増す可能性がある。

 日本は灯油消費の約9割を国産で賄うが、輸入の大半は韓国産だ。韓国政府が供給停止を伴うような禁輸措置を打ち出したり、灯油を燃料源とする簡易ストーブやファンヒーターを頻繁に使用する北日本が厳冬に見舞われたりすれば、供給不足や価格上昇を招くだろうと6人のトレーダーは予想している。

 フィッチ・ソリューションズのアナリスト、ピーター・リー氏(シンガポール在勤)は「韓国が対日灯油輸出を禁止すれば、日本で厳しい需給逼迫(ひっぱく)となる公算が大きい」と述べたうえで、韓国産への依存が高まる冬季はその影響が強まると分析した。日本の灯油輸入は昨年、約79%が韓国からだったことを政府の統計が示している。

 ウッドマッケンジーのアジア太平洋精製事業担当ディレクター、スシャント・グプタ氏は韓国による禁輸措置となれば、日本は中国とシンガポールに目を向けるだろうとの見方を示した。

 日本の石油元売り最大手JXTGホールディングスの太内義明常務執行役員は、日韓の通商対立激化を同社としてそれほど懸念していないと説明。同社のエネルギー事業には今のところ特に影響はないが、展開を注視する必要があると話した。

 出光興産は灯油が韓国の輸出規制の対象となった場合には代替手段を考える必要があると指摘。同社執行役員の酒井則明氏は国内での生産拡大や韓国以外からの輸入、冬季前の在庫積み増しといった幾つかの選択肢があると語った。(ブルームバーグ Heesu Lee、Tsuyoshi Inajima)

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