専欄

中国・共産党機関紙に掲載された声は「党八股」か「思想の解放」か (1/2ページ)

 中国は今年10月、建国70年を迎える。共産党機関紙「人民日報」はそれを記念して、7月下旬からほぼ連日、各省(自治区、直轄市)ごとに、この70年間にいかに発展し、変貌したかを伝える特集を組んでいる。(元滋賀県立大学教授・荒井利明)

 江西省をトップに山西省、安徽省と続く特集は毎回冒頭に、その省の党書記と省長、つまり省のトップ2人の連名による、省の過去70年の歴史、現状、さらに未来への展望を記した文章を掲載している。

 この地方の指導者たちの文章にはほぼ例外なく、「習近平同志を核心とする党中央」の周囲に団結すること、「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を指針とすること、各省に対する「習近平総書記の重要指示・重要演説」に従うこと、「二つの擁護」(「習近平総書記の核心としての地位」と「党中央の権威と集中統一指導」を擁護)を堅持することが記されている。

 平たくいえば、地方の指導者たちは口をそろえて、「習近平総書記の指示に従い、素晴らしい成果を挙げることができました。今後も総書記を支持し、指示通りに行います」と述べているのである。

 毛沢東は共産党政権樹立7年前の1942年、革命根拠地の延安で、「党八股に反対しよう」と題する演説を行っている。党八股とは党幹部の空疎な形式主義的な文章のことである。「人民日報」に掲載された地方の指導者たちの文章はまさに毛沢東が批判した党八股である。

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