国内

WTO提訴 バルブ課税は日本勝訴確定 早急な措置撤回を要請

 世界貿易機関(WTO)が韓国による日本製バルブへの反ダンピング(不当廉売)課税をめぐり韓国側のWTO協定違反を認定したことを受け、菅義偉官房長官は11日の記者会見で「速やかな是正を求めていく」と述べ、韓国に早急な措置撤回を要請する方針を示した。日本の勝訴が確定したが、韓国政府は反発する姿勢を示している。韓国政府が日本の対韓輸出管理の厳格化を不当として、WTOに提訴すると表明したことで、日韓の対立はWTOを舞台に激化している。

 WTOの紛争処理の最終審にあたる上級委員会は10日(日本時間11日未明)、韓国による日本製の産業用バルブへの反ダンピング課税は不当として、韓国側に措置の是正を勧告する報告書を公表した。

 しかし、韓国産業通商資源省の幹部が11日、「韓国の勝訴が確定した」などと主張し、措置の撤回に否定的な考えを示していることに対し、日本政府は「WTOの紛争解決で日本に負けたという“不都合な真実”を認めたくない韓国国内向けの強弁だ」(経済官庁幹部)などと冷ややかな見方を示す。日本は韓国が是正措置を取らない場合、WTO協定に基づき、韓国からの輸入品に追加関税を課すなどの対抗措置が可能となる。

 韓国政府は11日、不都合な真実から目をそらすかのように、日本が7月に始めた半導体材料の対韓輸出管理の厳格化が不当だとしてWTOへの提訴を発表。菅氏は11日の会見で、「WTO協定に定められた手続きを踏まえ、適切に対応していきたい」と述べた。

 WTOで日韓が係争中の案件は、このほかにも2件ある。日本製ステンレス鋼への反ダンピング課税では、2018年10月に1審にあたる紛争処理小委員会(パネル)が設置された。韓国による自国造船業界への補助金では、日本が18年11月に2国間協議を要請した。

 韓国による福島県産などの水産物の輸入禁止の問題では、日本は4月の最終審で逆転敗訴を喫した。日本政府は「過去の苦い経験も教訓に」(外務省幹部)韓国との係争に臨む。(大柳聡庸)

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