国内

菅原経産相、韓国に反論 「輸出管理の厳格化はWTO協定に整合的」

 菅原一秀経済産業相が12日、産経新聞などのインタビューに応じ、韓国政府が日本の輸出管理の厳格化を世界貿易機関(WTO)に提訴した問題について「安全保障上の問題で、WTO協定に整合的だ」と述べ、韓国側に反論した。韓国が要請した2国間協議については「WTOの取り決めである10日以内に(協議に応じるかを)適切に判断したい」と述べるにとどめた。

 日韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉については、各国が目標とする年内妥結に向け「あらゆる手立てを尽くしたい」と述べ、合意に意欲を示した。8月に開かれたRCEPの閣僚会議では韓国側が日本の輸出管理の厳格化を批判したが、他の交渉参加国はこの問題に介入する姿勢を示していない。菅原氏は「日韓を除いた他の14カ国がどういうスタンスなのか、冷静になってほしい」と述べ、韓国側の動きを牽制(けんせい)した。

 一方、原子力発電所の再稼働については、「世界一厳しい原子力規制委員会の新規制基準に合格した場合、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進める」と述べた。

 東日本大震災直後は「脱原発」を訴えていた菅原氏だが、「原発ゼロは現実的ではない」と指摘。その上で、政府が原発依存度を可能な限り低減して令和12(2030)年の原発比率を20~22%にする目標がある中で、再生可能エネルギーや省エネ、新エネの拡大などに「日本の知見を結集させる」と強調した。

 台風15号による千葉県を中心とした大規模停電が続いている。菅原氏は「まずは停電の復旧に全力をあげる」と強調。その上で再発防止に向け、電力系統の強靱(きょうじん)化など「今後の対応を検討する」と述べた。(大柳聡庸)

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