海外情勢

アップル、攻めの低価格 iPhone最新3機種 市場鈍化で路線転換 (1/2ページ)

 米アップルが10日に開催した製品発表会で最大のサプライズは、新しい機能やデバイスでなく、攻めの価格戦略だ。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)11」の最新機種の価格を現行モデルから引き下げ、これまでの高級路線を転換した。11月から開始する動画配信サービスも競合他社を下回る料金水準とし、利用者の開拓を狙う。

 最大級150ドル値下げ

 アップルはカリフォルニア州クパチーノで開かれた製品発表会でアイフォーン新モデルの11、「11Pro」「11Pro Max」の3機種を披露。廉価版の11は背面カメラが2つに増え、ポートレートモードや広角撮影を改善した。13日に先行予約を開始し、20日に発売する。

 11の価格は699ドル(約7万5300円)からで、昨年発売の「XR」の749ドルを下回る。XRの販売は継続し、発売当初の価格より150ドル安い599ドルとした。これはアイフォーンの歴史上、前年比で最大級の値下げとなる。

 レイモンド・ジェームズ&アソシエーツのアナリスト、クリス・カソ氏は顧客向けリポートで「アップルの発表イベントで最大のニュースは、アイフォーン11の低価格設定だ」と指摘。「アップルは昨年の製品で価格が行き過ぎだったことを認めたと受け止めている」と述べた。

 スマホ時代のパイオニアであるアップルも、世界的なスマホ市場の鈍化に直面している。欧米や中国の消費者の大部分は既にスマホを所有しており、デバイスの性能向上が一巡したことなどを理由に買い替えに消極的だ。調査会社IDCの予想によると、業界全体の出荷数は2019年に前年比2.2%減と、3年連続で減少する見込みで、アイフォーンは今年15%落ち込む見通しだ。また、米政権が中国からの輸入品に課す15%の追加関税が12月15日以降にアイフォーンに適用され、事業環境も厳しさを増す。

 今回の低価格化で、低迷するアイフォーンの買い替え需要が増加するほか、その他のハードウエア製品の販売も伸びる可能性がある。IDCの調査責任者、ジテッシュ・ウブラニ氏は「価格を重視する顧客の多くが最終的にアップルの一連の製品を購入するだろう。アイフォーンと一緒にワイヤレスイヤホン『エアポッド』や携帯型端末『iPad(アイパッド)』などの購入につなげた実績がある」と指摘する。

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