視点

日韓対立、激化に乗じ…日本を傷つける不可思議な「自由貿易論」 (1/3ページ)

 日本政府が韓国に対する輸出管理の厳格化を決めた後、韓国メディアから取材を受ける機会があった。

 産経新聞は「主張」欄(各紙の社説に相当)で、一貫して日本の対応を妥当なものと評価してきた。韓国側からみれば、理解しがたい「暴論」とでも言いたいのだろうか。そうだとしても、産経の論調を正しく理解してもらう一助になればと思い、取材を受けることにしたのだが、本稿でそのやり取りを詳述したいわけではない。

 ここで指摘したいのは、この問題に対する日韓双方の認識に、あまりにも深い溝があると実感させられたことである。(産経新聞論説副委員長・長谷川秀行)

 韓国の記者は、本社が作成したという質問リストを筆者に示してきた。驚いたのはその中身である。例えば、今回の措置は韓国経済の成長に焦った日本がこれを牽制(けんせい)すると同時に、東アジアで日本が経済覇権を握るための先制的な措置なのではないかと疑う。安倍晋三政権はなぜ平和憲法改正と自衛隊の武装化を志向するのかという質問もあった。その上で、侵略戦争と日本の覇権主義に対する周辺国の憂慮をどう思うかと問うのである。

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