国内

国家安全保障局に経済部門の新部署 官邸主導で外交・防衛と一体強化

 政府が外交・防衛政策の司令塔を担う国家安全保障局(NSS)に、経済部門を所管する新部署の立ち上げを検討していることが18日、分かった。米中貿易摩擦や高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムなど外交・防衛と密接に関わる経済問題が増えていることを踏まえ、首相官邸主導で一体的に対応する必要性が強まっていると判断した。

 政府高官は「新部署には経済部門の司令塔となってもらう」と語った。一方、菅義偉官房長官は18日午前の記者会見で「まだ何も決まっていない」と述べるにとどめた。

 NSSは現在、6班体制で運営されており、新部署は新たな班として立ち上げる案や既存の戦略企画班を強化する案が出ている。人員には財務や経済産業などの各省から専門知識を持つ職員を集める方向だ。

 新部署を立ち上げる背景には各国が経済的な手段に訴え、安全保障上の国益を確保しようとする動きを強めていることがある。トランプ米政権は、5Gで高い技術を誇る中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対し、安全保障上の脅威を理由に禁輸措置を発動した。

 こうした動きを踏まえ、3月には自民党の「ルール形成戦略議員連盟」(甘利明会長)が外交・防衛と経済政策に一体的に取り組む新組織の設立を求める提言をまとめていた。

 NSSは国家安全保障局(NSC)の事務局として平成26年1月に発足し、外務、防衛など各省庁の「エース級」を中心に約80人で構成されている。13日付で安倍晋三首相の側近で警察庁出身の北村滋・前内閣情報官が就任した。

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