国内

駅直結タワマンが「まち」をやがて破壊するワケ 起こりうる3つの問題点 (3/4ページ)

 都心部の旺盛な需要がある立地でも、課題を認識し、中長期での持続可能性を考え、タワーマンションの供給について制限を与え始めています。ましてや地方都市の情勢は厳しく、東京都区部より厳しい規制を検討するのが妥当です。

 神戸市は全国政令市でも人口減少が進んでいる自治体です。将来的に再々開発が必要となり老朽化が進むであろう2060年には、2010年より3割以上の人口減少が予想されています。

 そのような状況下で一箇所のタワーマンションで住居需要の多くを使い切ってしまうのは、都市全体の衰退を招くリスクが高いのです。そういう意味では、神戸市の三宮周辺での判断は極めて妥当であり、むしろ住宅用容積率はさらに絞っても良いくらいだと思います。

 さらに売り切り型の分譲方式では、直近は維持管理に問題なくとも50年後など将来には建て替え問題が立ちふさがる可能性が高いです。一定期間だけの不動産権利を購入する定期借地方式での分譲、もしくはどこかの法人が全体のオーナーとなり、総定期借家に制限するなど、将来の再々開発、解体を見越したコントロールがあってよいでしょう。

 神戸市はマンション開発で揉めている場合ではない!

 大阪から電車で40分という便利な立地の神戸市が、駅直結タワーマンションを開発して売ることは短期的には簡単なことです。

 しかしながら、マンション分譲で神戸市の競争力はまったく上がりません。今ある魅力を単に切り売りするだけです。駅前の敷地にタワーマンション開発して数千人集めたところで、神戸市が抱える「衰退する都市問題」に貢献するわけでもありません。

 大阪市内では梅田駅周辺、なんば駅周辺など各種主要駅周辺の再開発計画も進んでいます。これまでは大阪市内で開発が制限されていたこともあり、企業や人を受け入れるという選択肢がなく、追い出されていったわけですが、今後はそういう押し出し需要も低下していきます。

 さらに京都と滋賀、大阪と神戸の間でもさまざまな開発が行われ、西宮北口などの人気エリアも続々と出現しています。つまりは、みんなが同じ競争軸で開発競争しているわけですが、神戸市はそのような競争に巻き込まれるべき都市ではないのです。

 そもそも神戸市は、開国後に築港され、輸出入の拠点となりました。世界からヒト・モノ・カネを輸入し、それを地場品で置換する「輸入置換」で国産化し、輸出へとつなげていく日本産業の重要拠点であり、都市開発においても「株式会社神戸」と称されるほど日本有数の注目される都市でした。ところが平成になりバブル崩壊、阪神淡路大震災に見舞われました。平成の31年間は、神戸市にとって非常に厳しい時代だったといえます。

 だからこそ今さら、駅前でタワーマンション開発をする、しないと他の都市の真似事のような小さな話で揉めているような場合ではない。今こそ、神戸市が次の時代に何で飯を食っていくのかということに官民両方が向き合う必要があります。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus