海外情勢

世界経済は同時減速の状況 IMF新トップ初講演 財政刺激の備え促す

 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は就任後初の主要な講演で、世界経済に関して悲観的な見方を示し、景気減速が深刻化した場合、各国政府は協調して財政による刺激措置を講じる必要性が出てくる可能性があると述べた。

 今回の講演は来週開催されるIMF年次総会の基調を打ち出すもの。IMFは15日公表予定の世界経済見通し(WEO)で2019年と20年の成長見通しを引き下げると、ゲオルギエワ氏は語った。IMFは7月に今年の成長率予測を3.2%、来年は3.5%にそれぞれ引き下げ、昨年10月以降で4度目の下方修正をしていた。

 世界の機関やエコノミスト、投資家らは世界的な成長減速の主因として、関税をめぐる米中の対立を非難している。ゲオルギエワ氏は8日のワシントンでの講演で、貿易摩擦が製造業の落ち込みや投資減速の一因となっており、サービス業や消費といった経済の他分野に波及する「深刻なリスク」が生じていると指摘。世界の貿易の伸びは停滞状態に近いとも、付け加えた。

 また「世界経済は今、同時減速の状況にある」とし、世界の90%で成長が減速しているとIMFでは見積もっていると発言。一方、2年前は世界全体の4分の3で景気が同時に上向き、成長が加速していたと言及した。

 さらに、「貿易や英国の欧州連合(EU)離脱を起因とする不確実性、地政学的な情勢緊迫が潜在的な経済力を抑制している」とも指摘。それにとどまらず、経済的な対立は「長期にわたり続き」、自己中心的な貿易といったシフトが起こる可能性があると話した。(ブルームバーグ Sarah McGregor)

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