海外情勢

インド、素焼きカップ普及推進 主要駅、空港など 環境に配慮

 インド全土の主要駅やバス停の売店、空港、ショッピングモールなどで、伝統の素焼きカップ「クルハド」の普及が進みそうだ。クルハドは割れば土に還る“エコなカップ”で、関連当局はこのほど、環境や産業の保護などを目的に使用拡大を提案した。タイムズ・オブ・インディアなどが伝えている。

 推進役を務めているのは、ニティン・ガドカリ道路輸送・高速道路・中小零細企業相。同氏は「インド国内100の鉄道駅で素焼きのクルハドをくまなく使用するよう、ピューシュ・ゴヤル鉄道相に書簡で要請したほか、空港やバス停留所などの喫茶店を監督する州交通当局にも提案した」と明らかにした。

 クルハドは北インドやパキスタンで伝統的に使用されてきたカップで、インドでは現在、北部ウッタルプラデシュ州のヒンズー教の聖地バラナシや、同州古都ラエバレリの鉄道駅の仕出店が水飲みや皿などに使用している。

 ガドカリ氏は「駅などでクルハドを普及させることで、地元の製造業者に巨大な市場を生み出す。さらに、紙やプラスチック製品の使用を減らすことにつながり、環境保護となることが期待される」と述べた。同氏は早くも需要拡大を見据え、増産に向けて設備を拡充するよう、中小零細企業省傘下で国産品の普及を手掛ける「カーディ・村落産業委員会」にも指示した。

 同委員会はインド独立の父、マハトマ・ガンジーが英国製品をボイコットした「インド国産品愛用運動(スワデシ)」が起源で、ビナイ・クマル・サクセナ会長は「2018年にはクルハドを作るために1万個の電動ろくろを陶工たちに配った。今年は、2万5000個の電動ろくろを配るつもりだ」と意気込む。

 クルハドの普及をめぐっては04年にも、当時のラル・プラサド・ヤダブ鉄道相が、陶器産業を活性化し、乗客に環境配慮型のカップを提供するとして導入を図ったことがある。同前鉄道相は当時、「温かい飲み物はクルハドでのみ、提供されるべきである」と語っていた。(シンガポール支局)

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