海外情勢

中国、ネパールに530億円支援へ 習近平氏、越境鉄道建設へ調査

 【北京=西見由章】中国の習近平国家主席は13日、ネパールの首都カトマンズでオリ首相と会談し、「両国を結ぶ鉄道の事業化調査を始めたい」と述べた。水力発電の開発を援助する考えも示した。中国外務省が発表した。地元メディアによると、習氏はネパールの開発プロジェクトなどに2年間で560億ネパールルピー(約530億円)を拠出する方針を表明した。

 政治の実権を持つ親中派のオリ首相が経済的なインド依存の脱却を図る中、中国は巨大経済圏構想「一帯一路」の枠組みでインフラ開発を支援し、インドとの緩衝地帯のネパールで影響力を強めたい考えだ。

 習氏は12日、中国の国家主席として23年ぶりにネパールを訪れ、バンダリ大統領と会談。双方は「両国の発展と繁栄に向けた代々友好の」戦略的協力パートナーシップを構築することで合意した。

 ネパールには亡命チベット人約2万人が住むが、中国の要請で当局は国内の反中デモを弾圧し、チベット自治区から山岳地帯を越える亡命も規制。オリ首相は習氏に「ネパールでの反中・分裂活動は決して許さない」と述べた。

 米中の対立局面が増える中、習氏は11、12両日にインドでモディ首相と非公式会談を行うなど、領土問題を抱える同国とも関係改善を進めている。

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