海外情勢

G20、“金融頼み”限界 財政政策への重視強まる

 今回のG20財務相・中央銀行総裁会議では世界経済の悪化リスクに対処するため、公共事業などへ国の歳出を増やして景気を刺激する財政政策を重視すべきだとの意見が相次いだ。これまで各国は金融政策に頼ってきたが、限界や弊害が表面化してきたことが背景にある。今後は消費税増税のタイミングに、台風19号の直撃が重なった日本の対応が世界の注目を集めそうだ。

 「政策手段を総動員し、強固で持続可能、バランスのとれた成長を目指すべきだ」。麻生太郎財務相は閉幕後の記者会見でこう訴えた。財務省高官によると、「初日の討議で、景気回復には金融政策だけでなく、財政政策も重要だとの発言が出た」という。

 会議に先立つ15日、国際通貨基金(IMF)は2019年の世界全体の実質経済成長率の予想を3.0%と、前回7月時点から0.2ポイント下方修正。下方修正は昨年10月以降、5回連続。米中摩擦の悪影響が、思った以上に深刻化していることが背景にある。

 世界経済の変調に、各国は金融政策の強化で対応してきた。日銀や欧州中央銀行(ECB)はマイナス金利政策を長期化し、米連邦準備制度理事会(FRB)は今年に入り2回、利下げしている。

 ただ、結果的に金融政策は成長減速を食い止められていない。これを受け主要国で強まり始めたのが、財政政策にシフトすべきだとの声だ。

 真っ先に対応を迫られるのが日本で、今月1日に消費税率を10%へ引き上げた直後に、台風19号の被害に直面。政府は復旧に向けた令和元年度補正予算案の検討を始めた。

 世界経済のリスクが及ぶ場合は、新たな経済対策を補正予算案と2年度当初予算案で手当てするが、景気の腰折れを防ぐ“お手本”となれるかが焦点になる。(山口暢彦)

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