海外情勢

香港デモ、本土系に矛先 中国銀行の支店やファーウェイの店舗を襲撃

 香港で抗議活動に参加する人々が中国本土企業を標的にしている。デモ参加者は香港にある本土ブランドの店舗を火炎瓶や金属棒、スプレー塗料で攻撃。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官や警察に向かっていた怒りの矛先は、香港で経済的、政治的に影響力を高める中国銀行や中国移動(チャイナ・モバイル)、華為技術(ファーウェイ)といった本土企業にも向かっている。

 行進経路で幅利かす

 黒シャツを着た反政府派のデモ行進が通る主要ルートを歩いてみれば、香港において本土勢がいかに大きな存在感を示しているかうかがえる。

 高層ビルが立ち並ぶ軒尼詩道(ヘネシーロード)の周辺は、本土系のスーパーマーケットやドラッグストア、ホテルが軒を連ねるほか、パシフィック・コーヒーやマクドナルドはいずれも国有企業によるフランチャイズ経営だ。一部の企業は中国の不動産開発会社が所有する物件に入居している。

 1997年の英国から中国への返還後、本土企業は香港での事業を拡大。こうした本土系の店舗を習近平政権の出先機関と受け取る向きもある。

 英キール大学で中国の対香港投資を調査し、国際関係を教えているハイディ・ワンケーディング氏は「本土企業は経済的にも政治的にも影響力を持つ集団を形成している。地元勢を強く動揺させているのはそのためだ」と指摘する。

 火炎瓶、反中落書き

 香港で一段と幅を利かせている中国勢は国有企業だけではない。馬雲(ジャック・マー)氏が創業したアリババグループは香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)とその関連資産の買収で2015年に合意。ファーウェイやレノボ、小米といった中国の主要スマートフォンメーカーと家電販売大手の蘇寧は香港で小売り店舗を展開する。

 10月1日の中国国慶節(建国記念日)と直近の週末、中国銀行の支店と現金自動預払機(ATM)は破壊されたり、火炎瓶が投げ込まれたりした。郊外の沙田にあるショッピングモールでは、ファーウェイとレノボの店舗が荒らされた。

 今月1、2日には中国移動の少なくとも2店舗がデモ参加者らに攻撃され、小米の販売店では壁にスプレーで反中をうたう落書きがなされた。中国建設銀行の香港部門はガラスのドアが壊されるなど抗議絡みの損傷で、2支店でサービスの停止に追い込まれた。(ブルームバーグ Bruce Einhorn、Shirley Zhao)

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