海外情勢

世界の主要中銀、緩和ピーク過ぎる ソブリン債の利回り底打ち

 世界各国・地域の中央銀行は今年に入り、金融緩和を進めてきた。だが、一時は奔流にも見えた緩和の動きは現在、緩流に落ち着きつつある。当局としてリセッション(景気回復)回避に十分手を尽くしたと判断しているためで、そのことが投資家にとってソブリン債利回りがようやく底に達したと考える理由となっている。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は10月30日、今年3回目の利下げ決定後、金融政策が「適切な」水準に達したと語った。また、欧州中央銀行(ECB)の場合、マイナス金利に対する批判拡大を背景に、ラガルド新総裁には追加緩和を手控えるよう圧力がかかっており、日本銀行の黒田東彦総裁はさらに金融政策の限界に近づいている可能性がある。

 シティグループのエコノミストが「ハト派的局面のピーク」到来を宣言し、先行き中銀による積極的な景気支援はこれまでよりも絞られてくると想定する投資家は、手持ち債券を手じまう形で対応している。

 世界的な指標である米10年債利回りは約2%と、9月に付けた3年ぶり低水準の1.43%から上昇に転じ、他国でもこれに追随する動きが見られる。

 RBCキャピタル・マーケッツのグローバル・マクロストラテジスト、ピーター・シャフリク氏は「中銀による緩和のピークは過ぎた」と指摘。「あちこちで多少の追加利下げはあるかもしれないが、極端な利下げ局面は終わった。これに伴い、米国をはじめとする各国・地域の利回りには一段の上昇のリスクがある。今では債券について私は慎重になっている」と話した。

 一方、追加利下げをしようにもそれには限度があることを金融当局者も認識しており、マイナス金利を採用している国・地域では銀行や政治家から反発の声が強まっている。ラガルド、黒田両氏を含む金融当局者の多くは、需要喚起の必要性が生じた場合、政府にもっとそれを分担してもらいたい考えだ。

 シティグループのエコノミスト、パーニル・ヘネバーグ氏は「さらにどの程度の景気支援が可能かという点で、各国・地域の中銀は限界に近づきつつあるだろう」とコメント。「金融当局者は貿易戦争を起因とするあらゆる不確実性に対処しようとし、恐らく現時点では十分手を尽くした。焦点は今や財政政策と金融政策の協調によって何ができるかに移っている」との考えを示した。(ブルームバーグ Liz McCormick、John Ainger)

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