経済インサイド

鉄鋼の過剰生産解消に暗雲 最大生産国、中国の反対で足並みに乱れ (2/2ページ)

 さらに各国が問題視するのが、中国政府によるメーカーへの補助金制度だ。26日の閣僚級会議に出席したブラジルの政府高官は、補助金など、中国による市場を歪曲する措置を念頭に「政府が公平な競争条件を提供することを期待している」と不満を漏らした。

 だが、米国との貿易摩擦が激しさを増す中、中国メーカーは一定の収益を確保するため、容易には減産に踏み切れない状況にあるとみられる。

 日本は他の参加国と連携し、フォーラムとは別の国際的な枠組みの創設を目指す。だが、時期など具体案は「これからの検討課題」(経産省幹部)とされ、事実上、何も決まっていないのが現状だ。そもそも世界最大の鉄鋼生産国である中国がいない枠組みの中で、過剰生産能力削減に向けた実効性のある議論ができるのかは未知数だ。

 日本鉄鋼連盟によれば、9月の粗鋼生産量は前年同月比4.5%減の804万5000トンと、3カ月連続でマイナスとなった。台風15号の強風で、一部メーカーの設備に被害が出たことなどが響いたほか、国内外の景気減速で需要が縮小していることが主な要因とみられている。

 中国の過剰生産は市況の悪化につながり、日本の鉄鋼業界にとっては“泣きっ面に蜂”となりかねない。(大柳聡庸)

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