国内

米、EUへの報復関税強化を検討 航空機補助金紛争で

 【ワシントン=塩原永久】米通商代表部(USTR)は2日、航空機大手エアバスへの補助金に対抗して欧州連合(EU)に発動した報復関税について、税率の引き上げや関税対象品の拡大を検討すると発表した。世界貿易機関(WTO)が同日、改めてEUの補助金をルール違反とする判断を示したことを受け、関税措置を強化する手続きを開始するとしている。

 USTRは10月、エアバス補助金をめぐり米国がEUに関税を課すことをWTOが承認したため、EUからの約75億ドル(約8200億円)分の輸入品に追加関税を適用した。航空機に10%、ワインなどの農産品や工業製品に25%を上乗せしている。

 USTRは声明で、「市場をゆがめる補助金を撤廃することがEUの利益にかなうと認識させるには強力な行動が必要だ」とした。関税引き上げや対象品の拡大に向けた行政手続きを近く公表するとしている。

 一方、WTOは米国による航空機大手ボーイングへの補助金も、WTO協定違反だと認定。来年にもEUによる対米関税を承認する見通しだ。EUも関税対象品リストを公表し、米国に対抗する方針をみせており、米国と欧州の貿易摩擦が激化する恐れが強まっている。

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