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土地相続登記の義務付け検討 所有者不明問題で法制審試案、罰則も

 所有者不明土地問題の対策を議論する法制審議会(法相の諮問機関)の部会が3日、中間試案をまとめた。土地の相続登記を義務付け、所有者の死亡後、相続人が所定期間内に登記しなければ、過料などの罰則を科すことも検討する。所有権放棄や土地に特化した財産管理制度導入の方針も盛り込んだ。

 法制審は来年1月から中間試案に対するパブリックコメント(意見公募)を実施。法務省は法制審の答申を受け、来年の臨時国会に民法と不動産登記法の改正案を提出したい考えだ。

 現在、相続登記は義務ではなく、低価格の土地の相続を避ける人が多く、所有者が分からない土地が増える要因となっている。義務化の他、登記所が登記情報の更新をしやくするため、死亡した人の情報を戸籍や住民基本台帳から取得するシステムも検討する。

 手放したくても売却できず放置される土地も多く、所有権を放棄できる制度を併せて導入する方針。乱用を防ぐため、土地の権利関係に争いがないなど一定の要件を満たした場合に限り、公的機関が認可する方向で調整する。

 土地に特化した財産管理制度は、所在が分からくなった人の財産のうち土地だけを切り離し、第三者が管理できるようにする制度。現行制度は、東日本大震災の復興事業で自治体が高台など移転先用地を取得するためにも利用したが、土地以外の全ての財産をまとめて管理する必要があり、手続きが面倒だった。管理が土地に特化できれば、官民ともに土地利用が円滑になり、災害復旧にも役立つとみられる。

 土地を複数人で分割相続する際の遺産分割協議の期限について10年を軸とする案も提示。申し立てなどがなく10年経過すれば、法定相続分で権利が決定される。期限を5年とする案も併記した。

 有識者研究会は2016年時点で、約410万ヘクタールが全国で所有者不明になっていると推計。政府、与党は、所有者を特定できず、固定資産税を課税できない場合は使用者から徴収することなども検討している。

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