海外情勢

米、来年まで金利据え置き FRB、追加利下げせず

 米連邦準備制度理事会(FRB)は10、11両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.5~1.75%に維持することを決定した。経済活動は緩やかなペースで拡大しているとして、政策金利を2020年いっぱい据え置くことを示唆した。

 会合後に発表された声明は「現在の金融政策スタンスについて、経済活動の持続的な拡大、力強い労働市場、および委員会が目指す対称的な2%目標付近でのインフレ率推移を支えるために適切だと判断している」としている。

 今回の政策は5月会合以降で初めて全会一致での決定となった。FOMCは声明で、世界的な動向や弱いインフレ圧力など経済見通しをめぐるデータが示唆するものを引き続き注視する姿勢を示した。前回の声明にあった見通しへの「不確実性は続いている」という文言は、今回削除された。

 パウエル議長はFRB議長は記者会見で、「金融政策の現在のスタンスは今後も適切である公算が大きい」「経済と金融政策は現在、両方とも良好だ」などと指摘。「引き締め政策に戻るには、著しくて持続性のあるインフレ加速が必要だ」と述べ、ハードルが高いことを強調した。米国のインフレ率は近年、金融当局の目標である2%に持続的なペースでは達していない。

 今回の金利据え置きは市場予想通りだった。FOMCは景気腰折れ懸念に対応し、前回まで3会合連続で利下げを実施していた。

 FOMCは経済活動について、「緩やかなペースで拡大してきた」とし、雇用の伸びは「堅調」だとの表現を維持した。

 FOMC参加者(17人)が示した見通しによると、20年末時点のFF金利の予想中央値は1.6%、21年は1.9%、22年は2.1%。13人が来年の金利据え置きを予想、4人は利上げが適切だと判断した。20年10~12月期の失業率予想は3.5%と、今年11月と同じ水準。長期の失業率は4.1%と、9月予測の4.2%からわずかに低下した。20年の経済成長率見通しは2%、21年が1.9%と、ともに前回予測と同じ。インフレ率は21年に2%になると予想。前回の予測と変わっていない。

 ペン・ミューチュアル・アセット・マネジメント(運用資産280億ドル)の運用担当者、ジウェイ・レン氏は「パウエル議長はインフレが持続的に大幅に上昇するまで利上げを実施しないことをあらためて表明した」と指摘。「これは金融当局がインフレ押し上げを決意しており、それが成功するまで利上げしないことを強く示唆している。非常にハト派的だ」と述べた。(ブルームバーグ Craig Torres)

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