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活気づくベトナム、10%を上回る高度成長期に突入するか

 昨年末、ベトナム経済の中心地であるホーチミンを2年ぶりに訪ねてみて、一段と活気づいているのに驚いた。米中経済戦争を嫌気して、中国からベトナムに投資先が移ってきていることも影響していよう。昨年の国内総生産(GDP)伸び率は上方修正され、今年も好調が続きそうだ。ベトナムは中国の市場経済化を後追いしながら、経済発展を続けてきた。ベトナムでもこれをきっかけに、中国が1990年代から2000年代にかけて実現したのと同様な10%を上回る高度成長期に突入していくのだろうか。(拓殖大学名誉教授・藤村幸義)

 ユニクロがホーチミンの中心街であるドンコイ通りに、ベトナム初の店を出した。のぞいて見ると、平日なのに大勢の客でごった返している。価格は日本の店とほとんど変わらないが、レジにはベトナム人の客が列を作っていた。

 ホーチミンは従来バイクの多い街で知られてきたが、いまや車がバイクを押しのける勢いだ。トヨタはベトナムでの累積生産台数が早くも50万台を突破したという。街角で見ていると、韓国の車の多さが目立つが、タクシーはほとんどがトヨタだった。

 テレビでは年末の特別番組で、歌謡ショーが繰り広げられていた。舞台の仕掛けは格段に豪華になっており、まるで紅白歌合戦を見ているかのようだ。

 アジア開発銀行(ADB)は、ベトナムの昨年のGDP成長率予想をこれまでの6.8%から6.9%に引き上げた。今年も6.8%を見込んでいる。さらに成長率を上げていくのに鍵を握るのは、どこまで内需が増えていくかであろう。

 ユニクロが中国の上海に初の出店をしたのは、02年だった。しばらく低調だったが、中間層の拡大に伴って一気に伸びていった。いまや店数は700店を超えているという。ベトナムの場合は、ホーチミンやハノイの周辺を除くと、内需の広がりに欠ける。中国の10分の1に達するのも容易ではない。

 車の普及で気になるのは、交通渋滞である。あふれんばかりのバイクに車が加わったことで、いまや中心部は身動きが取れない。道を横断するには、バイクだけでなく、車の間をも縫って歩かねばならない。

 日本の政府開発援助(ODA)で、都市鉄道の建設が進められており、これが完成すれば渋滞緩和に少しは役立とう。ところが開通はベトナム側の事情で1~2年遅れる見通しだ。

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