海外情勢

新型肺炎、数時間以内に診断 製薬会社「ロシュ」が商業用検査ツール初投入

 スイスの製薬会社ロシュ・ホールディングは、中国で発生した新型コロナウイルスに対応する初の商業用検査ツールを投入する。感染拡大を監視する取り組みの強化を支援できる可能性がある。

 同社によると、この検査ツールの利用に必要なハイテク装置を増産している。中国では検査をしても施設が感染者の急増に圧倒されて対応しきれない状況にあり、遅れが生じることで隔離すべき人と自宅に帰す人を医療機関が分ける判断が難しくなる恐れがある。

 ロシュ・ダイアグノスティックス部門のトーマス・シネッカー最高経営責任者(CEO)は1月30日、バーゼル本社でのインタビューで「ボトルネックがある。現在、どれくらいの人が感染しているか実際には分からないが、当社のシステムははるかに幅広い検査の実施に役立てられる」と語った。

 医薬品部門のビル・アンダーソンCEOは別のインタビューで、ロシュの既存薬が新型コロナウイルスの感染患者の治療に役立つとは考えておらず、同ウイルス向けワクチンを開発する計画はないと述べた。

 同社では、数週間前に中国・武漢市を発生源とする新型コロナウイルスの存在が浮上したときに分子診断医から成る緊急対応チームが始動。関連先と協力し、スタッフが十分に配置された施設で数時間以内に診断が可能な検査ツールを開発した。

 シネッカー氏によると、ロシュがこのツールを提供できると中国当局に伝えたところ、同国では同ツールの使用に必要なハイテク装置が少なく150台必要なことが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大に備える「マグナピュア24」「ライトサイクラー480」を含むこれら装置はスイス・ロートクロイツの工場で製造されている。

 同ツールは規制上のハードルをクリアしていないため、利用する医療機関は当面、他の試験と比較して検査結果を確認する必要があると、シネッカー氏は語った。(ブルームバーグ Tim Loh)

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