海外情勢

野生動物の繁殖農家に激震 新型コロナ“発生源”を中国が取引禁止 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大で多くの犠牲者が出ている中国で、政府が野生動物の取引を全面的に禁止し、こうした動物を食用として飼育する農家の間で動揺が広がっている。地方行政では野生動物の定義をめぐって混乱が生じており、野生動物の取引市場が新型コロナの発生源であるとして取引を抑制したい中央政府の狙いは難航している。

 数千軒の生活脅かす

 中国北西部の吉林省の農家、ヤン・リーファさんは「村では自宅で飼育するシカの販売が禁止になった。ここでは30年以上前からシカを育てている。肉は食用とし、角は漢方薬になる。50頭のシカを飼育し得られる収入は年に20万元(約305万8000円)。この収入がなくなれば私の狭い土地で家族5人を養うことはできず、どう生計を立ててよいか途方に暮れている」と話す。

 北京拠点のコンサルティング会社、BRIC農業集団のシニアアナリスト、リン・グゥオファ氏は「中国ではヘビやワニを含む指定された『特殊』動物を飼育してもよいことになっており、ウズラやキジ、ウサギ、ハト、シカを主な収入源として飼育する地方の農家は数千軒に上る。こうした農家の多くにとって野生動物がどのように定義されるのかは非常に深刻な問題だ」という。

 中国国家林業草原局のワング・ウェイシェン氏は2月27日の記者会見で「中国は、野生動物の人工繁殖を一掃し野生動物の取引を行う違法な市場を全て閉鎖する。政府は、コロナウイルスを媒介する可能性のあるタケネズミやアナグマを人工繁殖する約2800の農場を封鎖し、そこで働く人たちの健康状態を検査するよう地方政府に要請した。野生動物の需要は一部の消費者の間の不健康な食習慣によるものだ」と語った。

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