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年金運用 リスクや結果 丁寧な説明必要

 公的年金の積立金を運用するGPIFの1~3月期の運用は、四半期ベースとして過去最大の赤字になる見通しとなった。直ちに年金財政や給付に影響を及ぼすわけではないが、国民が払った保険料を原資にしている以上、リスクや運用結果について常に真摯(しんし)で分かりやすい説明が求められている。

 今月、約5年ぶりに見直された資産構成割合(基本ポートフォリオ)でも従来通り、国内外の株式比率計50%は維持した。先月31日に記者会見したGPIFの高橋則広理事長(同日付で退任)は運用に関し「ひ孫の保険料が上がるのを防ぐためにやっている」と話した。少子高齢化で保険料を払う現役世代が減る中、運用した積立金で不足分を補って支給するという意味合いだが、こうした目的も十分に発信する必要がある。

 一方、株式比率が高いことで、今回のように世界経済が減速すると巨額な赤字運用になるリスクを常に抱えている。

 GPIFの業務を監督する経営委員会の中でも「国民の間に株式運用に対する警戒感が残り、市場の不安定性を指摘する声も強い。いかにして分かりやすい説明ができるか」といった意見が出されている。運用は国民の信頼が大前提と言える。

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