海外情勢

武漢の生鮮市場に戻る活気 コロナ発生源疑い、米は閉鎖圧力

 8日に封鎖が解除された中国湖北省武漢市が日常に戻りつつある中で、新型コロナウイルス感染拡大の主因とされた生鮮市場が活気を取り戻している。こうした生鮮市場の営業を認めるべきかをめぐっては世界的に議論が活発になっている。特に、米当局者は閉鎖するよう圧力を強めている。

 同市最大の生鮮市場の一つ、白沙洲市場の入り口には自動車の列ができていた。頭上には「生きた動物の食肉処理・販売禁止」と記された看板が掲げられている。

 中国などアジア諸国にとって生鮮市場はニューヨークの「ボデガ」やパリの「ブーランジュリー」のように、日常生活の一部として欠かせない存在だ。

 武漢をはじめとする中国全土が通常の生活を取り戻そうとする中で、中央政府にとって課題となるのはその場で動物を食肉処理したり、野生動物を販売したりするのを禁止しつつ、生鮮市場の営業をどのように続けていくかという点だ。

 中国の食料安全保障を研究するウォータールー大学のリサーチアソシエート、チェンチョン・シ氏は「生鮮市場は都市部の住民が手ごろかつ健康的な食品を調達する上で中心的な役割を担っている。市場の閉鎖は不可能であるだけでなく、都市部の食料安保にとっても破壊的な影響が及ぶだろう」と指摘する。

 新型コロナ感染症は武漢市の華南海鮮市場に関連したとみられる集団感染が発生した昨年12月に確認され、今では世界で感染者が150万人を超えた。科学者や中国の当局者は野生動物から人へと感染したと考えており、華南市場で扱われていた野生動物との濃厚接触が感染拡大の大きな原因とされている。

 武漢は徐々に通常の生活を取り戻しつつあるが、その華南市場は今週も閉まっていた。通りには海産物の臭いが漂っていたが、同市場の周りには仕切りが設けられ、監視役の警察が写真を撮らないよう制止していた。(ブルームバーグ Sharon Chen、Karoline Kan)

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